2011年度原爆被爆者総合相談会 報告

「第2回原爆被爆者総合相談会」を終えて

「第2回原爆被爆者総合相談会」を無事に終えて、ご協力いただいた宇部協立病院からご連絡があり、この度の相談会の模様を取り上げた記事が記載された「被爆者医療ニュース」を送付していただきました。

 

2011年11月1日  山口民医連被爆者医療委員会

10月22~23日、被爆者の総合相談会が開催されました。山口県原爆被爆者支援センター「ゆだ苑」が、県の委託で、被爆者の生活・医療を含むあらゆる相談に応じる事業です。

 

被爆者総合相談会

に15人

 

一日目は渡邉医師が宇部協立病院で、二日目は白藤医師が周南市で医療相談にあたりました。その他の相談には被爆者団体の方が応じ、二日間で合計15人の相談を受けました。うち、医療相談は9人でした。

 

Aさん「若い頃から白内障の症状が出た。原爆症の申請をしたが認められなかった。被爆直後に救護活動をして、市街を歩きまわり、身体に斑点が浮かぶなど急性症状が出たのに」。

 

被爆者の病気が原爆の放射線を浴びたため(原爆症)と厚労相が認定すれば、月約14万円の医療特別手当が支給されますが、なかなか認定されません。政府は被爆の影響をなるべく小さくみせたいのでしょうか。


Bさん「骨折で入院。3か月たつので退院を迫られているが痛みが消えない。同居の息子は知的障害があり自宅で介護は無理な状況」。

 

現在、被爆者は全国に約22万人、県内に約4000人。被爆後66年たって平均年齢は77歳を超え、介護問題の比重が増しています。申請して認められれば介護手当(月約2~10万円)が支給されますが、被爆者の間にあまり知らされていません。申請の援助が求められています。

 

Cさん「原爆病院(広島)に入院していたとき、障害を持った子どもをたくさん見た。自分には子どもがいなくてよかった」。

 

被爆による遺伝的影響は明確な結論が出ていませんが、子や孫(被爆二世・三世)に影響が現れはしないかという心配が絶えません。被爆二世のごく簡単な健診以外は、全く援護施策がありません。「被爆者に準じた援護施策を」が被爆者の願いです。

 

これまでの総合相談会では個別に医師に相談できる時間はわずかでしたが、今回は一人当たりの相談時間を長くとることができ、おひとりおひとりが満足のいく対応をしていただきました。ありがとうございました。

(ゆだ苑より)

 日頃ゆだ苑では、他団体のご協力を得ながら被爆者援護法関連や申請等の一般的な相談に対応はできるものの、医療相談に関しては、専門分野になるので日常的に対応できておりませんでした。  今回、「原爆被爆者総合相談会」において医療相談に対応できたのも、宇部協立病院の皆さまのご協力のおかげだと感じております。今後ともご協力いただき継続的に医療相談をおこなえる体制を整えていきたいと思います。