宇部協立病院 報告書

被爆者医療 ニュース №7

2013年7月4日  山口民医連被爆者医療委員会

 

6月23日と30日の両日、例年の被爆者総合相談会が開催されました。山口県原爆被爆者支援センター「ゆだ苑」が、県の委託で、被爆者の生活・医療を含むあらゆる相談に応じる事業です。

 

被爆者総合相談会

「相談できてよかった」

 

 23日は白藤医師と事務の林さんが山口市内の会場で、30日は永岡医師と事務の吉田さんが光市内の会場で医療相談にあたりました。医療以外の相談には被爆者団体の方が応じ、二日間で合計11人の相談を受けました。うち、医療相談は8人でした。その一部を紹介します。

 

  • Aさん
    (山口市)「前立腺ガンの治療中です。ガンは遺伝するのでしょうか?」
  • 白藤医師
    「被爆されたので遺伝リスクは高くなるでしょう。定期的な検査を受けてください」
  • Bさん
    (岩国市)「心房細動で緊急入院しました。健康管理手当を申請するにはどうすればいいでしょう?」
  • 白藤医師
    「医師の診断書が必要です。医師は所見を書くていどなのでかかりつけ医に相談されてください」健康管理手当は、厚労省が定める11種の疾病にかかっている被爆者に、申請に応じて月3万円余が支給されます。Bさんはホッとした表情でした。
  • Cさん
    (岩国市)「多発性関節炎で原爆症の認定を申請したが却下されました。運動機能障害でも却下。今は脳梗塞後遺症で日常生活に困っています」
  • 永岡医師
    「脳梗塞後遺症による原爆症認定の可能性を考えることにしましょう」健康管理手当は被爆者の9割近くが受給していますが、申請もれがないように医療者側も気を配ることが大切だと思いました(林)
    原爆症とは原爆の放射線を浴びたことが原因で起きたと厚労省が認定した病気です。認定されると特別手当(月13万円余)が支給されますが、被爆者の2%しか認定されていません。
    「申請の相談はこれで最後にしようと思って来ました。相談できてよかった」と微笑みながら帰ってゆかれました。
    健康管理手当は被爆者の9割近くが受給していますが、申請もれがないように医療者側も気を配ることが大切だと思いました(林)